カンツォーネ・パラディーゾで過ごした、やわらかな午後

クオリティロードWeb制作チームのオッサーです。

このたび、カンツォーネ歌手の中尾喜香さん(以下、中尾さん)とご縁をいただき、「カンツォーネ・パラディーゾ」というコンサートに伺ってきました。

歌とピアノ、そして人のあたたかさが、静かに会場を満たしていく時間。

これまで触れたことのなかった音楽の世界に、やさしく導かれたような午後でした。

「パラディーゾ」という響きに、あの映画を重ねて

「パラディーゾ」と聞いて、ふと私の頭に浮かんだのは、映画「ニュー・シネマ・パラダイス(原題:Nuovo Cinema Paradiso)」のことでした。

あの作品は、映画を愛する少年と年上の映写技師との友情を描いた、イタリアの名作です。

物語もさることながら、流れる音楽がとにかく美しくて。

その音楽を手がけたのが、イタリアの名作曲家、エンニオ・モリコーネ

なかでも「愛のテーマ」は、情熱的でありながらどこか切なくて、まるで時間が止まるような一瞬を描き出します。

この映画で使われた楽曲たちは今もなお、CMやテレビで耳にすることがあるほど、多くの人の心に残っている名旋律なんです。

「パラディーゾ」

――この言葉を目にして、私は自然とあの映画の記憶に引き寄せられていました。

初めての「カンツォーネ」体験

私はこれまでカンツォーネという音楽に触れた経験がほとんどありませんでした。

ましてやクラシック系のコンサートも初めての体験。

「少しかしこまった発表会のようなものなのかな」と思っていたんですが、それはまったくの見当違いでした。

会場の空気はどこかあたたかくて、やさしい。

ピアノの音色が静かに鳴りはじめると、まるで空気までやわらかくなるようで。

中尾さんの和やかな司会で、一曲一曲の背景や、歌う方の想いが丁寧に紹介されていきます。

音楽を通じて感じた、多様な「響き」

今回のコンサートには、プロの方はもちろん、音大を卒業されたばかりの方や、福祉の現場で歌を届けている方など、さまざまな立場・年齢・背景を持つ出演者がいらっしゃいました。

驚いたのは、歌う人によって、音の「響き方」がまったく違うということ。

音は振動です。
誰が歌っても、空気を震わせて音として耳に届く。

でも、不思議なことに、その響きが「心に触れる感覚」には差があるんです。

それは、歌の上手さや声量だけでは説明できないものでした。

その人の生き方や、積み重ねてきた想いが、音に乗って届いてくる。
そんなふうに感じる瞬間が、何度もありました。

特に印象的だったのは、80歳の方の歌声でした。

抑えた声量から、じんわりと沁み込んでくる何かがあって。一音一音が、まるで人生の景色を運んでくるようでした。

もう一曲、忘れられないのが映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の挿入曲。

邦題では「あなたを思うほど」と名づけられている楽曲。

【参考】Andrea Bocelli, Ariana Grande - E Più Ti Penso (Official Music Video)(YouTube)

おそらく、これもエンニオ・モリコーネの作だったのではないでしょうか。

リサイタルも開催されているという男性と、中尾さんとのデュエットで披露されました。

その歌声が響いたとき、気づけば、目に熱いものが込み上げていて――

音楽って、こんなふうに人の感情を揺らすものなのかと、胸がいっぱいになりました。

曲の解説が、音の表情を変える

司会の中尾さんが、各曲にまつわるエピソードや歌い手さんの背景を紹介してくださることで、

曲の聴こえ方が変わってくるのを感じました。

メロディだけでなく、その裏側にある物語を知ることで、音に色が差す。

その一言があるかないかで、歌がただの「音楽」から、「人と人の橋渡し」になるような気がしたのです。

これはきっと、中尾さんが長年にわたって築いてこられた、信頼と安心のある音楽コミュニティの空気なんだと思いました。

同じ場所に集うことの意味

SNSやオンラインでのつながりが主流になった今、こんなふうに、同じ空間で、同じ音を共有する体験はとても貴重に感じられました。

人と人とのつながりが希薄になりがちな現代。

けれど音楽があることで、立場も世代も違う人たちが、自然にひとつの空間に集まり、同じ気持ちをわかち合うことができる――

それはとても、豊かで、希望のある光景でした。

コミュニティは続いてこそ、意味がある

ただ、どんなに素晴らしい場でも、それが続いていかなければ意味がないのもまた事実です。
継続には、エネルギーも仕組みも必要です。

だからこそ、こういった音楽の場やコミュニティが、これからも長く続いていくように、私たちが何かお手伝いできることがあれば――

そんな想いを、強く持ちました。

最後に。
中尾さんへ、心からの感謝をこめて

今回このような機会をくださった中尾さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。

普段はなかなか足を踏み入れない世界に触れさせていただいたこと。
何より、音楽の持つ力を静かに、けれど確かに感じることができました。

中尾さんの公式サイトは、今回、私たちクオリティロードでリニューアルを担当させていただきました。

また、中尾さんは月に一度、「カンツォーネ☆カフェ」という音楽コミュニティも主催されています。担当したオッサーは、次回は半休をいただいて、ぜひこのカフェにもお邪魔したいと思っています。

またそのときには、別のレポートをお届けできたら嬉しいです。

中尾さん、本当にありがとうございました。

【参考】中尾喜香公式ホームページ

中尾喜香公式サイト|横浜市でカンツォーネのコミュニティを作るYoshika音楽企画

神奈川県横浜市にてカンツォーネでコミュニティを作る、Yoshika音楽企画の歌手・中尾喜香の公式サイトです。イタリア歌曲カンツォーネを歌い継ぎ、関内でのグループレッス…