当たり前の結果で終わらない調査レポートの作り方

会社のホームページから問い合わせを増やしたい。
そのために、オウンドメディアを運営する企業はとても増えています。

その中で、よく作られる記事があります。
調査レポートの記事です。

  • アクセス解析の結果
  • マーケティングのデータまとめ
  • 業界のリサーチ記事

一見すると、役に立ちそうな記事に見えます。
ですが、ここで少し想像してみてください。

あなたが仕事のヒントを探して検索しているとき、次のような記事を見つけたらどう思うでしょうか。

「最も利用されている検索エンジンはGoogleでした」

多くの人は、こう思うはずです。

「それ、最初からわかっていたのでは?」

実は、調査レポートの記事では、この問題がとてもよく起きます。
それが当たり前の結果を出して満足してしまうこと。

調査レポートは、データを並べただけでは価値のある記事にはなりません。

大切なのは

  • なぜ調査したのか
  • どのデータを分析したのか
  • そこから何が言えるのか

というマーケティング分析の視点です。

では、読まれる調査レポートとは、どのような記事なんでしょうか?
あなたの会社の調査記事は本当に読者の仕事に役立つ内容になっていますか?

調査レポートは「仮説思考」で設計する

まず結論から言います。

調査レポートは「証明したいこと」を決めてから作る必要があります。

ところが多くの企業では、次のような流れで記事を作っています。

  • とりあえずデータを集める
  • アクセス解析をする
  • わかったことを記事にする

一見すると正しい方法に見えます。
しかし、この方法では当たり前の結果しか出ないことが多いんです。

ここで、わかりやすい例を考えてみましょう。

あなたが会社の営業部長だとします。
営業チームの売上が伸び悩んでいます。

そこであなたは、こんな調査をしました。

「営業で一番使われているツールは何か?」

結果はどうなるでしょうか。
おそらくメール、電話、オンライン会議ツールが上位に来ます。

ですが、この結果は調べなくても想像できます。
つまりこの調査は新しい発見がない調査になってしまうんです。

ここで重要になるのが仮説思考です。

仮説思考とは「こういう結果になるのではないか」と先に予想を立てる考え方です。
たとえば次のような仮説です。

「営業成績が高いチームは、顧客への連絡回数が多いのではないか」

この仮説があると、調査のやり方が変わります。
調べる内容は次のようになります。

  • 売上上位の営業担当者
  • 売上が伸びない営業担当者
  • それぞれの顧客接触回数

もし調査の結果、売上トップの営業は顧客への連絡回数が2倍多いとわかったらどうでしょうか。

これは営業のやり方を変えるヒントになります。

つまり調査レポートとはデータを集めることではなく仮説を検証することなんです。

Webマーケティングでも同じです。

多くの人はアクセス解析を見るとき

  • アクセス数
  • ページビュー

ばかりを見ています。ですが本当に重要なのは

  • どのページが問い合わせにつながったのか
  • どの流入経路が売上に影響したのか

という部分です。

たとえば、次のようなケースがあります。ある会社では

ブログ記事A
→ アクセス数 5,000

ブログ記事B
→ アクセス数 800

この数字だけを見ると記事Aの方が成功しているように見えます。
しかし問い合わせ数を見てみると

ブログ記事A
→ 問い合わせ 1件

ブログ記事B
→ 問い合わせ 12件

という結果だったとします。

この場合、本当に価値があるのは記事Bです。なぜなら売上につながっているからです。ここがデータ分析とマーケティング分析の違いです。

あなたの会社の調査記事はどんな仮説から始まってますか?

マーケティング分析はネクストアクションまで示してこそ価値がある

調査レポートには、もう一つ大切なポイントがあります。
それはネクストアクションを示すこと。

多くの調査レポートはデータを紹介するところで終わります。
たとえば次のような記事です。

「アクセス解析の結果、検索からの訪問が最も多いことがわかりました」

これは事実です。ですが、読者はこう思います。
「それで、どうすればいいの?」

ここで、もう一つ具体例を考えてみましょう。

あなたが飲食店のオーナーだとします。
平日の夜、お客さんが少なくて困っています。

そこで次のような調査をしました。

「お客さんはどこでお店を知ったのか」

調べてみると

  • Instagram 40%
  • Google検索 35%
  • 口コミ 25%

という結果でした。

この結果だけを書いた記事はただのデータ紹介です。

しかし、ここで分析するとどうでしょう。

Instagramを見た人は写真を見て来店している
Google検索の人は「近くの居酒屋」などで探している

このように考えると次の行動が見えてきます。

  • Instagramに料理写真を増やす
  • Googleマップの情報を整える

これがネクストアクションです。
調査レポートとは次の行動を決めるための情報なのです。

Webマーケティングでは、さらに重要な考え方があります。
それがアトリビューションです。

難しい言葉に見えますが、意味はとてもシンプルです。
「お客さんは一度で商品を買うとは限らない」という考え方です。

たとえば次のような流れです。

  • SNSで記事を知る
  • Googleで会社を検索する
  • 広告を見て思い出す
  • ホームページから問い合わせ

このように複数の接点を経て問い合わせが生まれます。

もし広告だけを見て評価すると、SNSの効果が見えません。
もし検索だけを見て評価すると、広告の影響が見えません。

だからこそマーケティング分析ではユーザーの行動全体を見ることが大切です。

そして最後に必要なのがネクストアクションです。

調査レポートのゴールはデータを説明することではありません。
次に何をするべきかを示すこと。

あなたの会社の調査記事は読者が行動を起こせる内容になってますか?

まとめ|調査レポートは「仮説思考」と「ネクストアクション」で価値が決まる

調査レポートの記事を書くとき、多くの人はこう考えます。

「できるだけ多くのデータを集めよう」

しかし本当に重要なのはデータの量ではありません。
重要なのは調査の設計です。

ポイントを整理してみましょう。

  • 調査は仮説思考から始める
  • リサーチ設計を行う
  • データ分析だけで終わらない
  • マーケティング分析で意味を解釈する
  • ネクストアクションを提示する

この流れがあって初めて、調査レポートは価値のあるコンテンツになります。

オウンドメディアの記事はただのデータの記録なのか。
それとも読者の意思決定を助ける記事なのか。

その違いを生むのは仮説思考と記事編集です。

あなたの会社の調査レポートは当たり前の結果で終わっていませんか?

【参考文献】デジタルマーケの成果を最大化するWebライティング(日本実業出版社)

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