小規模事業者持続化補助金でホームページ制作はできる? 対象経費と注意点を解説

「補助金を使ってホームページを作りたい。でも、ホームページだけで申請できるのか分からない」
「制作費の3分の2が補助されると聞いたけれど、実際はいくらまで使えるのだろう」
このような疑問を持つ小規模事業者が検討したいのが、小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>です。
この補助金では、販路開拓につながるホームページの新規制作や更新、リニューアルなどが、ウェブサイト関連費として補助対象になり得ます。
ただし、ホームページ制作費だけで申請することはできません。また、会社案内としてホームページを作るだけではなく、新しい顧客の獲得や売上の増加にどうつながるのかを、経営計画の中で説明する必要があります。
第20回公募では、補助率は原則として3分の2、通常枠の補助上限は50万円です。そのうち、ウェブサイト関連費として申請できる補助金額は、上限30万円(税込)とされています。
この記事では、2026年6月18日時点の公式情報をもとに、ホームページ制作で対象になり得る費用、対象外になりやすい費用、補助額、申請から制作までの流れを、初めての方にも分かる言葉で解説します。
なお、第20回の公募要領は公開されていますが、申請時によくある質問や参考資料は、2026年6月18日時点では準備中です。申請するときは、公開後の最新資料も必ず確認してください。
【参考】
小規模事業者持続化補助金について(中小企業庁・経済産業省)
小規模事業者持続化補助金(神奈川県商工会連合会)
小規模事業者持続化補助金でホームページ制作はできる?

小規模事業者持続化補助金では、販路開拓を目的としたホームページ制作や更新が補助対象になり得ます。
第20回公募要領では、対象経費の一つとしてウェブサイト関連費が設けられています。その対象例には、「商品販売のための自社ウェブサイト作成や更新」が明記されています。
そのため、ホームページを持っていない事業者が新しく作る場合だけでなく、古くなったホームページをリニューアルする場合も申請できる可能性があります。
ただし、ホームページを作れば自動的に対象になるわけではありません。
この補助金が支援するのは、事業者自身が作成した経営計画に基づき、新しい顧客を獲得したり、売上を増やしたりするための取組です。
たとえば、新しいサービスを販売するために専用ページを作る。これまで地域内だけで販売していた商品を、ECサイトを通して地域外へ販売する。施工事例や料金を掲載し、問い合わせにつなげる。
このように、誰に、何を、どのように販売するためのホームページなのかを説明する必要があります。
小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者などが、自ら作成した経営計画に基づいて行う販路開拓や、それにあわせて行う業務効率化を支援する制度です。
対象となる小規模事業者は、業種ごとに従業員数で判断されます。
商業・サービス業は、宿泊業と娯楽業を除き、常時使用する従業員が5人以下です。宿泊業・娯楽業と製造業その他は、常時使用する従業員が20人以下となります。
株式会社や合同会社などの会社だけでなく、商工業を営む個人事業主や、一定の条件を満たす特定非営利活動法人も対象になり得ます。
一方、医師、歯科医師、医療法人、一般社団法人、社会福祉法人、学校法人、宗教法人、任意団体などは対象外です。
第20回公募の申請受付は、2026年11月5日から12月15日17時までの予定です。申請前には、地域の商工会または商工会議所へ事業支援計画書の発行を依頼する必要があり、その受付締切は2026年12月4日です。
申請は先着順ではありません。提出された経営計画や補助事業計画が審査されるため、申請しても採択されない場合があります。
また、補助金は後払いです。制作会社への支払い時に補助金分を差し引いてもらえる制度ではありません。いったん自社で費用を支払い、事業完了後の実績報告を経て、補助金を受け取ります。
ホームページ制作に関係するウェブサイト関連費とは

ウェブサイト関連費とは、販路開拓を行うためのウェブサイト、ECサイト、システムなどを開発、構築、更新、改修、運用するための費用です。
ホームページ制作会社へ支払う制作費や改修費は、原則としてこの経費に計上します。
ホームページの文章やデザインを作る費用だけでなく、ECサイトへ掲載する宣材写真の制作費や、ホームページで商品・サービスを販売するための画像・動画制作費も対象になり得ます。
SEO対策についても、すべてが対象外になるわけではありません。第20回公募要領では、効果や作業内容が明確なウェブサイトのSEO対策が対象例として示されています。
ただし、「SEO対策一式」のように内容が分からない見積もりでは、その費用が必要かどうかを判断できません。どのページに対して、どのような調査や修正を行うのかを明確にする必要があります。
契約期間が補助事業期間を超えるソフトウェア利用料などは、全額が対象になるわけではありません。補助事業期間に対応する部分だけを分けて計算します。
また、ウェブサイトやシステムを税抜50万円以上の費用で作成・更新した場合は、処分制限財産に該当することがあります。補助金を受け取った後も、通常は取得日から5年間、目的外での使用や譲渡、廃棄などが制限される可能性があります。
ホームページ制作だけで申請できる?

ウェブサイト関連費だけで申請することはできません。
第20回公募要領では、ウェブサイト関連費は、必ずほかの対象経費と一緒に申請するよう定められています。
そのため、「ホームページを作る費用だけを補助してほしい」という申請は認められません。
ホームページ制作と組み合わせる取組としては、商品やサービスを紹介するチラシの作成、新しい看板の設置、展示会への出展、新商品の試作開発、店舗の改装などが考えられます。
たとえば、新商品を開発し、その商品を紹介するホームページとチラシを作る。店舗を改装し、新しいサービスの予約を受け付けるホームページを作る。展示会で商品を紹介し、その後の問い合わせを受ける専用ページを作る。
このように、ホームページとほかの取組が一つの販路開拓計画としてつながっていることが大切です。
申請するためだけに、必要性の低い経費を付け加えるべきではありません。経営計画の中で必要性を説明できる取組を組み合わせましょう。
補助対象になり得るホームページ制作の例

補助対象になり得る代表的なものが、商品やサービスを販売するための自社ホームページの新規制作です。
これまで紹介だけで終わっていたホームページに、サービス内容、料金、実績、利用の流れを追加し、問い合わせにつなげるリニューアルも考えられます。
ECサイトを新しく作り、これまで店舗だけで販売していた商品を、地域外のお客様へ販売する取組も対象になり得ます。
スマートフォンで見づらいページを改善したり、問い合わせフォームを追加・改修したりする費用も、販路開拓に必要なホームページの更新・改修として認められる可能性があります。
ただし、スマートフォン対応や問い合わせフォームが、単独の対象項目として明記されているわけではありません。現在の問題と、改善によって期待できる成果を具体的に説明する必要があります。
ホームページに掲載する商品写真やサービス紹介動画の制作費も対象になり得ます。ただし、撮影する商品そのものや、被写体として使用する物品の購入費は対象外です。
SEO対策についても、検索順位を上げたいという希望だけではなく、対象ページ、作業内容、期待する効果を明確にする必要があります。
ホームページ制作で対象外になりやすい費用

ホームページに関係する費用であっても、すべてが補助されるわけではありません。
第20回公募要領では、ウェブサイトやシステムに関するコンサルティング・アドバイス費用は対象外とされています。助言だけを受け、実際の制作や改修を行わない場合は申請できません。
既に使用しているソフトウェアの更新料、家庭用や一般事務用のソフトウェアも対象外です。
電子書籍の出版費用や、販売すること自体を目的としたシステム・ソフトウェアの開発費も対象になりません。
有料配信する動画の制作費や、有料講座で使う動画・電子教材の制作費も対象外です。
特に注意したいのが、補助事業期間内に運用を始めていないホームページやランディングページです。
制作が終わっていても、期間内に公開し、実際に販路開拓の取組として運用していなければ、その費用は対象になりません。
また、交付決定前に制作会社と契約したり、発注したり、着手金を支払ったりした費用も対象外です。採択通知を受け取っただけでは制作を始められません。補助金事務局から交付決定通知を受け取ってから、契約・発注を行います。
見積書、発注書、請求書、支払いの記録などを用意できない費用も対象外です。
他社の商品を宣伝するホームページの制作費や、社内の役員・従業員、代表者や役員の親族などへ発注した費用も認められません。
補助率・補助上限額・ウェブサイト関連費の考え方

第20回公募の補助率は、原則として補助対象経費の3分の2です。通常枠の補助上限は50万円です。
一定の条件を満たす場合は、インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円、両方を満たす場合は合計200万円が、通常枠の上限に上乗せされます。
ただし、補助上限が引き上げられても、ウェブサイト関連費を無制限に計上できるわけではありません。
第20回公募では、ウェブサイト関連費として申請できる補助金交付申請額は、上限30万円(税込)です。
これは、ホームページ制作費を30万円までしか使えないという意味ではありません。
補助率3分の2で単純計算すると、ウェブサイト関連費の補助対象経費45万円に対して、補助金30万円が一つの目安になります。制作費が45万円を超えても、ウェブサイト関連費として申請できる補助金額は30万円までです。
ただし、消費税の扱いには注意が必要です。
消費税・地方消費税は原則として補助対象外ですが、免税事業者、簡易課税事業者、2割特例を利用する事業者が、消費税を含めて申請し、その内容で交付決定を受けた場合は例外があります。
自社がどの計算方法に当たるか分からない場合は、商工会・商工会議所や補助金事務局へ確認してください。
なお、以前の公募では「ウェブサイト関連費は補助金総額の4分の1以内」というルールがありましたが、第20回では上限30万円(税込)へ変更されています。過去の記事や解説を参考にするときは、公募回を確認しましょう。
販路開拓につながるホームページ制作とは

販路開拓につながるホームページとは、見た目がきれいなホームページではありません。
お客様が必要な情報を確認し、購入、予約、問い合わせなどの行動へ進めるホームページです。
まず考えたいのは、誰に見てもらうのかです。
地域内の法人を対象にするのか。一般の消費者を対象にするのか。これまでとは違う年代や地域のお客様を増やしたいのか。
次に、その人へ何を伝えるかを決めます。
サービス内容、料金、納期、実績、利用の流れ、よくある質問など、お客様が申し込む前に知りたい情報を整理します。
最後に、お客様にどの行動を取ってほしいかを決めます。
商品を購入してほしいのか。見積もりを依頼してほしいのか。予約してほしいのか。資料を請求してほしいのか。
この順番が整理されていれば、ホームページに必要なページや機能も決めやすくなります。
申請書では、「ホームページを作る」という作業だけではなく、ホームページを使って、誰に何を販売し、どれだけの売上増加を目指すのかまで説明する必要があります。
第20回では、補助事業終了後の売上高や売上総利益が増加する見込みについて、客観的なデータや根拠とともに記載することが求められています。
神奈川県のデジタル化補助金との違い

神奈川県内の小規模事業者には、令和8年度神奈川県小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金という選択肢もあります。
二つの制度の最も大きな違いは、補助金の目的です。
小規模事業者持続化補助金は、経営計画に基づいて、新しい顧客の獲得や売上増加を目指す販路開拓を支援する制度です。
一方、神奈川県のデジタル化補助金は、デジタル技術によって業務を効率化し、人手不足の解消につなげる取組を支援します。
ホームページ費用の扱いも異なります。
小規模事業者持続化補助金では、ウェブサイト関連費の補助金交付申請額は上限30万円ですが、ウェブサイト関連費だけでは申請できません。
神奈川県のデジタル化補助金では、ホームページの作成・更新費用の補助上限は10万円です。ホームページによって説明や問い合わせ対応を減らすなど、営業業務の効率化を説明できれば、ホームページを中心とした申請が可能です。
申請時期も異なります。
神奈川県の補助金は、2026年4月15日から9月30日17時までの先着順です。予算額に達した時点で受付が終了します。
小規模事業者持続化補助金の第20回は、2026年11月5日に受付を始め、12月15日17時に締め切られる予定です。先着順ではなく、提出された計画が審査されます。
申請方法も違います。
神奈川県の制度では、申請前に指定された相談機関で事前相談を受け、e-kanagawa電子申請システムから申請します。
小規模事業者持続化補助金では、自社で経営計画と補助事業計画を作成し、地域の商工会・商工会議所から事業支援計画書の発行を受けたうえで、電子申請します。
同じホームページ制作費について、両方の補助金を重ねて受け取ることはできません。両方の制度を検討する場合は、必ず事前に双方の窓口へ確認してください。
どちらの補助金を選べばよい?

ホームページだけを作りたいから持続化補助金、補助額が少ないから神奈川県の補助金という選び方では、制度の目的とずれる可能性があります。
ホームページの更新によって、電話での説明を減らしたい。問い合わせ内容を整理し、確認のやり取りを減らしたい。このように、仕事の効率化を主な目的とするなら、神奈川県のデジタル化補助金が合いやすいでしょう。
一方、新商品を販売したい。新しい地域や顧客層へ事業を広げたい。ホームページとチラシ、展示会、店舗改装などを組み合わせて販路開拓を進めたい。この場合は、小規模事業者持続化補助金が合う可能性があります。
補助額だけを見ると、持続化補助金のウェブサイト関連費は最大30万円で、神奈川県の10万円より大きく見えます。
しかし、持続化補助金ではホームページ制作だけで申請できず、経営計画の作成や商工会・商工会議所への相談も必要です。
また、第20回の申請受付は2026年11月からです。早めにホームページを公開したい場合は、申請から採択、交付決定までの期間も考えなければなりません。
何にいくら使えるかではなく、今回の取組で何を実現したいかを先に決めましょう。
申請からホームページ制作までの流れ

補助金を使ったホームページ制作では、制作内容だけでなく、進める順番が重要です。
ステップ1|経営の課題と販路開拓の目的を整理する
まず、現在の商品やサービス、顧客、売上、営業方法を整理します。
そのうえで、どのような顧客を増やしたいのか、ホームページによって何を販売したいのかを決めます。
ステップ2|GビズIDを準備する
申請は電子申請システムで行います。
利用には、GビズIDプライム、またはプライムにひも付くGビズIDメンバーが必要です。取得には時間がかかる場合があるため、早めに準備しましょう。[3][4]
ステップ3|ホームページ制作会社へ相談する
制作会社へ現在の課題と目的を伝え、必要なページや機能、制作費の目安を確認します。
申請前に相談や見積もりを依頼することはできます。ただし、契約、発注、制作開始、着手金の支払いはできません。
ステップ4|経営計画と補助事業計画を作成する
自社の強み、顧客のニーズ、販路開拓の方法、売上目標を整理し、電子申請システムへ入力します。
制作会社や外部の支援者から助言を受けることはできますが、経営計画は事業者自身が考えて作成しなければなりません。
ステップ5|商工会・商工会議所へ相談する
電子申請システムへ経営計画と補助事業計画を入力したうえで、地域の商工会または商工会議所へ事業支援計画書の発行を依頼します。
第20回の発行受付締切は、2026年12月4日です。締切後は、どのような理由があっても発行を依頼できません。
ステップ6|電子申請を完了する
事業支援計画書の発行を受け、必要書類をそろえて電子申請します。
第20回の申請締切は、2026年12月15日17時です。
ステップ7|採択結果を待つ
第20回の採択発表は、2027年3月頃が予定されています。
ただし、採択された時点では、まだ制作を始められません。
ステップ8|見積書を提出して交付決定を受ける
採択後は、申請したすべての経費について、詳細な見積書などを提出します。
補助金事務局の確認が終わると、交付決定通知が届きます。見積書を速やかに提出しても、採択発表から交付決定まで1か月から2か月程度かかる場合があります。
ステップ9|交付決定後に契約・発注する
交付決定通知に記載された交付決定日以降に、制作会社と契約し、正式に発注します。
交付決定前に契約や発注をすると、その費用は補助対象になりません。
ステップ10|ホームページを制作・公開する
制作会社と打ち合わせを進め、文章、写真、デザインなどを準備します。
第20回の補助事業実施期限は、2028年3月31日です。この日までにホームページを公開し、販路開拓の取組として運用し、制作会社への支払いも完了させます。
ステップ11|実績報告を行う
事業完了後は、見積書、発注書、請求書、支払いの記録、完成したホームページの画面などを提出します。
第20回の実績報告書提出期限は、2028年4月10日です。
内容が確認され、補助金額が確定した後に補助金が振り込まれます。
横浜で持続化補助金を使ったホームページ制作を相談する

小規模事業者持続化補助金を使ってホームページを制作する場合、最初からページ数やデザインを決める必要はありません。
先に整理したいのは、どの顧客へ、どの商品やサービスを届けたいのかです。
誰に届けるのかが決まれば、その人が知りたい情報が見えてきます。必要な情報が見えれば、ホームページに必要なページや機能も決めやすくなります。
株式会社クオリティロードWeb制作チームでは、横浜を中心とした神奈川県内の小規模事業者に向けて、ホームページの新規制作やリニューアルを行っています。
現在のホームページや営業活動を確認し、販路開拓の目的に合わせて、制作するページ、問い合わせ導線、掲載する内容を整理します。
持続化補助金を利用する場合は、申請後の見積書提出に備えて、作業内容と金額が分かる見積書を作成します。
「持続化補助金の対象になりそうな制作内容か相談したい」「ホームページとチラシを組み合わせるべきか迷っている」「新しい顧客を増やすには、どのページが必要か知りたい」。このような段階でもご相談いただけます。
補助金の申請や採択を保証することはできません。また、経営計画や申請書類は、事業者ご自身が商工会・商工会議所の支援を受けながら作成する必要があります。
それでも、誰に何を届けるホームページなのかを先に整理しておけば、制作内容も申請内容も具体的になります。
まずは、現在のホームページや、これから販売したい商品・サービスについてお聞かせください。
【持続化補助金を活用したホームページ制作のご相談はこちら】
※補助対象の可否や最終的な補助金額は、補助金事務局、商工会または商工会議所へご確認ください。

