コンテンツマーケティング台頭の背景

  • コンテンツマーケティングに挑戦してみろと指示されたが、何をしてよいかわからない。
  • そもそもコンテンツマーケティングとはどういうものなの?

コンテンツマーケティングについて、上記のようなお悩みを抱えているWeb担当者になってしまった会社員の皆さまや、ホームページを活用して集客したい経営者の皆さまは、多いのではないでしょうか。

そんな皆さまのために、今回は、現代においてコンテンツマーケティングが台頭してきた、その背景と理由について解説します。

限界を迎えた旧来型のネットマーケティング

インターネットの普及により、企業はオンラインでのプロモーション活動を行うことが不可欠となりました。

かつてのネットマーケティング手法は、主にSEM(Search Engine Marketing、リスティング広告)やSEO(検索エンジン対策)を中心に展開されてきました。

SEM(リスティング広告)は、Googleなどの検索エンジンの検索結果ページに広告を掲載することで、ターゲットユーザーにアクセスを促す手法です。

SEM(リスティング広告)とは

SEM(リスティング広告)とは、インターネット上で商品やサービスを宣伝するためのマーケティング手法です。

例えば、Googleなどの検索エンジンで「おいしいハンバーガー」を検索したとしましょう。
その検索結果の上部や横に、関連するハンバーガーショップの広告が表示されることがあります。

それがSEMのリスティング広告です。これによって、ユーザーは自分の求める情報を手早く見つけられます。

リスティング広告の特徴は、出稿主が広告を掲載したいキーワードを選ぶこと。

例えば「おしゃれなカフェ」のキーワードを選べば、そのカフェの広告は関連する検索結果に表示されます。

これによって、潜在的な顧客が特定の商品やサービスを探しているときに、その広告を目にする機会が増える可能性が高まります。

SEM(リスティング広告)の利点は、効果的なターゲットマーケティングと即時性があること。

広告主はターゲットとなるキーワードや地域を設定することで、関心を持つユーザーにアクセスすることができます。

また、SEM(リスティング広告)は即時効果があるため、広告を掲載してからすぐにアクセスや売上が増えることが期待できます。

一方、SEOはウェブサイトを最適化し、検索エンジンの上位に表示されることで、自然な流入を獲得する手法です。

【参考】
SEO対策で検索エンジンでの上位表示を目指そう

これらの手法は、ユーザーの注意を引き付けることで成果を上げることができました。

また、リターゲティング広告やDSP(Demand Side Platform)といった手法が注目されていた時期もありました。

リターゲティング広告は、ユーザーの過去の行動や興味に基づいて広告を配信することで、関心度の高いユーザーにアプローチします。

リターゲティング広告とは

リターゲティング広告は、ウェブサイト上の特定の行動(商品閲覧、カートに追加など)に基づいて広告を配信する仕組みです。

例えば、オンラインショッピングでカメラを見ているとします。

しかし、購入を迷っているうちに他のことに気を取られ、ホームページを閉じてしまいます。
すると、後日別のホームページを訪れたときに、先ほど見ていたカメラの広告が表示されることがあります。

それがリターゲティング広告です。

リターゲティング広告は、ウェブサイトの訪問者が興味を持った商品やサービスを再度アピールするために使用されます。
広告主は、特定のウェブサイトを訪れたユーザーに対して、そのウェブサイトと関連する広告を配信します。

リターゲティング広告の利点は、興味を持ったユーザーに対して再度アプローチできることです。

購買意欲が高まっている時に広告を見せることで、コンバージョン(購入や登録など)の可能性を高めることができます。

一方、DSPは複数の広告媒体に一括して広告を配信するプラットフォームで、広告主はより効率的に広告を展開することができました。

DSP(Demand Side Platform)とは

DSP(Demand Side Platform)はWebマーケティングで広告を効果的に購入・管理するためのプラットフォームです。

広告主はターゲットとなるユーザーの属性や興味に基づいて広告を配信し、関心を引きやすくします。

例えば、あるスポーツ用品メーカーが新しいランニングシューズの広告を出したいとしますしましょう。

DSP(Demand Side Platform)を使うと、そのメーカーはターゲットとなるユーザーの属性や興味に基づいて広告を配信することができます。

インターネット上でランニングの情報を検索したユーザーやスポーツブログをよく読むユーザーに、そのメーカーのランニングシューズの広告を表示することができます。これによって、ターゲットとなるユーザーにアプローチし、関心を引きやすくなります。

このDSP(Demand Side Platform)の利点は、広告主がターゲットとなるユーザーを選択できることです。

広告主は、年齢、性別、地域、興味などの属性に基づいて広告を配信することができます。
これによって、広告の効果を最大化し、効率的な広告キャンペーンを実施できます。

しかし、現在ではこれらの手法には限界が訪れています。

なぜなら、ユーザーの行動パターンやインターネット利用の変化により、新たな広告手法が求められるようになったからです。

また、成果を見るための指標も変化しています。

かつてはCPC(Cost Per Click、クリック単価)CPA(Cost Per Acquisition、顧客獲得単価)が重要な指標とされ、

  • CPC(クリック単価)を下げることでコストを削減
  • CPA(顧客獲得単価)に注目することで転換率を向上

させることが求められました。

CPA(顧客獲得単価)に注目して、LP(Landing Page、ランディングページ)の改善が盛んにおこなわれていた時期もありました。

LP(ランディングページ)とは、検索結果や広告などを経由して訪問者が最初にアクセスするページのことです。

しかし現在では、ユーザーの行動パターンやインターネット利用の変化にあわせて、LTV(Life Time Value、顧客生涯価値)が重要な指標へとシフトしました。

見るべき指標と主な施策の変遷

LTV(顧客生涯価値)は顧客の生涯価値を示すもので、単一の取引にとどまらず、長期的な顧客関係やリピート購買を重視しています。

このLTV(顧客生涯価値)を最大化することで、「顧客の長期的な付加価値を追求すること」が重要な目標となりつつあります。

この「顧客の長期的な付加価値を追求すること」とは、単に一回の購買行動に留まらず、顧客との持続的な関係を構築し、その付加価値を最大化することを意味します。

具体的には、例えばあるオンラインファッションブランドが顧客の長期的な付加価値を追求するために、以下のような取り組みを行っています。

  • まず、顧客の購買履歴や嗜好をデータとして収集し、個別のニーズや好みに合わせたパーソナライズされた提案を行います。

例えば、過去の購買履歴から得られた情報を活用して、顧客に最適な商品やスタイリングの提案を送ることで、彼らの満足度を高めます。

  • 次に、顧客とのコミュニケーションを重視します。

例えば、ニュースレターや特典情報の提供、SNS上でのコンテンツ共有などを通じて、ブランドとの関係を深めます。

  • また、顧客からのフィードバックを収集し、改善点や要望を取り入れることで、彼らの声に真摯に応えます。

これらの取り組みは、旧来型のネットマーケティングでは見られなかった取り組みです。

さらに最近では、企業側から見たLTV(顧客生涯価値)だけではなく、顧客側から見たLTV(顧客生涯価値)を考慮してアプローチする企業もあります。

このように、すでに限界を迎えた旧来型のネットマーケティングでは、新しい手法と指標へのシフトが必要です。

顧客の行動やニーズが多様化し、競争も激化しているため、より効果的な新しい手法と指標が求められています。

SEM(リスティング広告)に集客を依存するリスク

インターネット上の広告の中でも、SEM(リスティング広告)は一つの主要な手法です。

SEM(リスティング広告)は、検索エンジンやSNSなどのプラットフォーム上で、関連キーワードに関連する広告を表示するものです。

これにより、検索を行うユーザーに直接アピールし、ウェブサイトへの集客を促すことができます。

しかし、SEM(リスティング広告)に集客を依存することにはいくつかのリスクが存在します。

まず一つは、潜在ニーズと顕在ニーズの違いです。

リスティング広告は、ユーザーが具体的なキーワードを検索する場合に効果を発揮します。

つまり、すでに顕在ニーズ(具体的な要求や関心)を持つユーザーに対してアプローチすることができます。

しかし、

  • 潜在ニーズ(まだ意識されていないニーズ)を持つユーザー
  • 他のキーワードやアプローチでアクセスされた可能性があるユーザー

にはアプローチが難しいです。

そのため、SEM(リスティング広告)だけに頼ると、潜在ニーズを見逃す可能性があります。

さらに、SEM(リスティング広告)は多くの企業が利用しているため、競争が激化しています。

潜在ニーズと顕在ニーズの比例関係

特にビッグキーワード(よく検索されるキーワード)の場合、広告の表示回数を上げるためには高い入札額が必要です。

その結果、ビッグキーワードの価格が高騰し、広告運用のコストが増加する傾向があります。

これにより、予算オーバーで広告の露出が制限される可能性があります。

また、SEM(リスティング広告)による集客は一時的な効果に頼っている面もあります。

広告を掲載し続けることで一定の流入は得られますが、広告掲載を停止すると集客が途絶える可能性があります。

そのため、持続的な集客を実現するためには、他の手法や戦略を併用する必要があります。

コンテンツマーケティングは次の一手の施策

インターネット上のマーケティング手法は常に進化し続けています。

過去にはSEOやSEM(リスティング広告)が注目されましたが、これらの手法をやり尽くした人々は今、新たな施策を模索しています。

その中で注目されているのが「コンテンツマーケティング」です。

コンテンツマーケティングは、企業やブランドが有益な情報やエンターテイメントを提供することで、顧客との関係を構築し、信頼を築くマーケティング手法です。

これは、マス広告を補完する役割を果たす重要な戦略として注目されています。

従来のマス広告は、一方的なメッセージの発信でした。

しかし、コンテンツマーケティングでは、顧客の関心や潜在ニーズに合わせた情報を提供することで、顧客との対話や参加型のコミュニケーションを実現します。
これにより、顧客の関心を引き付け、ブランドとの関係を築くことができます。

また、コンテンツマーケティングは購入に至るまでの時間を考慮する視点も持っています。

顧客は情報を収集し比較検討を行うことが多く、購買までに時間がかかることがあります。

コンテンツマーケティングでは、購買意欲を高めるだけでなく、顧客の関心を持続させ、ブランドへの忠誠心を育むことを目指します。

つまりコンテンツマーケティングでは、即時の効果だけでなく、時間をかけて関心を維持し、顧客の行動変容を促すことが重要なのです。

  • 顧客がコンテンツを通じてブランドとのつながりを感じ、信頼を深めることで、
  • 最終的には購買意欲を高める

そういう循環が期待できます。

成果を見るための指標としては、

  • 従来のクリック数や表示回数に加えて、
  • 関与度や共有度などの指標

も重要です。

顧客がコンテンツに対して積極的に関与し、共有することで、ブランドの知名度や影響力が広がります。

さらに、コンテンツマーケティングが購買までの時間を短縮する効果がある場合には、

  • コンバージョン率の向上
  • リピート顧客の増加

なども重要な指標となります。

コンテンツマーケティングは常に進化しており、新たな施策や手法が生まれています。

コンテンツマーケティングを施策に取り入れる企業は、常に最新のトレンドやベストプラクティスにアンテナを張り、柔軟に対応する必要があります。

また、コンテンツマーケティングの成功には、データ分析と創造力の組み合わせが重要です。

クリエイティブな発想と、データに基づいた意思決定を組み合わせ、効果的なコンテンツを展開することが求められます。

さらに、コンテンツマーケティングをマーケティング戦略の中で継続的に取り組み、成果を最大化するためには、SEO対策や適切な指標の分析が欠かせません。

これからコンテンツマーケティングを戦略の一環として活用する企業は、将来の成功を見据え、顧客との良好な関係を築き上げることが重要となります。

◆   ◆   ◆

今回は、かつて主流だったネットマーケティングの手法と、現代においてコンテンツマーケティングが台頭してきた背景と理由について解説しました。

これからコンテンツマーケティングに挑戦したい、そんな中小企業の皆さまの助けになれば幸いです。

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