PASONAの法則で心を揺らして購入に導こう
「ライバル商品との差別化ができず、価格勝負になってしまう」
「いい商品なのに、その良さをうまく伝えられていない気がする」
そう考えているWebサイト制作を検討中の中小企業経営者の皆さまやコンテンツ制作者は、多いのではないでしょうか。
今回は、セールスコピーやWebライティングの世界で注目を集めている「PASONAの法則」について、くわしくご紹介させていただきます。
この記事では、成約率を上げるための具体的な文章術と、実践的なテクニックをお伝えしていきます。
PASONAの法則とは? 売上アップを実現する5ステップ

セールスコピー作成の世界では、さまざまなテクニックや手法が存在していますが、その中でも特に注目を集めているのが「PASONAの法則」です。
PASONAの法則の基本と誕生秘話
この法則は、著名な経営コンサルタントである神田昌典氏が提唱した、セールスライティングの黄金法則として知られています。
PASONAの法則の特徴は、お客さまの購買心理を丁寧に分析し、段階的なアプローチによって自然な形で購入へと導いていく点にあります。
テレビショッピングなどでもよく用いられているこの手法は、特に商品やサービスをオンラインで販売する際に高い効果を発揮します。
この手法の名称となっている「PASONA」という言葉は、以下の5つのステップの頭文字を組み合わせたものです。
- Problem(問題提起):お客さまが抱える課題や悩みを明確にする
- Agitation(あおり):その問題の深刻さを強調する
- Solution(解決策提示):問題解決の方法を示す
- Narrow Down(絞り込み):選択肢を限定する
- Action(行動):具体的な購買行動を促す
各ステップの詳細と実践方法は、以下の通りです。
Problemステップの展開方法
最初のステップである「Problem」では、お客さまが日常的に感じている悩みや不満、課題を明確に提示します。
ここでのポイントは、できるだけ具体的な状況を示すことです。
たとえば、スキンケア商品の場合であれば「最近、お肌の乾燥が気になっていませんか?」という漠然とした問いかけではなく、
「朝の化粧ノリが悪く、ファンデーションがむらになってしまう」
「夕方になると化粧くずれが目立ち、まわりの目が気になる」
といった、より具体的な状況を示すことで、読み手の共感を得やすくなります。
ビジネス向けのサービスであれば、
「提案資料の作成に時間がかかりすぎて、他の重要な業務に手が回らない」
「会議の準備に追われ、深夜残業が当たり前になっている」
といった、実際の業務現場での課題を具体的に描写することが効果的です。
Agitationステップでの感情喚起
次の「Agitation」では、先ほど提示した問題を放置することで起こりうる悪影響や不利益を示唆します。
ここでは、読み手の不安や危機感を適度に刺激することが重要です。
たとえば、美容関連商品の場合、
「このまま放置すると、シワやシミの原因になるだけでなく、お肌の奥底でどんどん老化が進行してしまいます」
といった形で、問題の深刻さを印象付けます。
また、ビジネス向けサービスであれば、
「非効率な作業に時間を取られることで、本来注力すべき重要案件にリソースを割けず、結果として売上や利益に大きな影響を及ぼすかもしれません」
といった形で、事業への影響を示唆します。
ただし、このステップでは過度な不安喚起や誇張表現は避け、あくまでも事実に基づいた説得力のある内容にすることが重要です。
Solutionステップでの解決策提示
「Solution」のステップでは、これまで述べてきた問題に対する具体的な解決策を提示します。
ここでのポイントは、単に商品やサービスの特徴を列挙するのではなく、それがなぜ効果的な解決策となるのかを、具体的な根拠とともに説明することです。
たとえば、スキンケア商品の場合、
「当社の美容液には、○○大学との共同研究で開発された△△成分が配合されています。この成分は、肌の奥深くまで浸透し、肌本来の再生力を高める効果があることが、臨床試験で実証されています。実際に、30代から50代の女性100名を対象とした使用テストでは、4週間の使用で98%の方が『肌のハリが改善した』と実感されました」
といった具体的な説明が効果的です。
Narrow Downステップでの選択肢の絞り込み
「Narrow Down」のステージでは、お客さまの決断を後押しするための仕掛けを用意します。
ここでは、「期間限定」「数量限定」といった限定性や、特別価格などの特典を効果的に提示することで、即決を促します。
たとえば、
「今回のキャンペーンは今月末までの限定価格となります」
「先着100名様限定の特別セット」
「初回購入の方限定で30%オフ」
といった具体的な特典や期限を設定することで、購入の意思決定を促進します。
Actionステップでの行動喚起
最後の「Action」では、具体的な行動を促すメッセージを発信します。
「今すぐお申し込みください」
「この機会をお見逃しなく」
といった直接的な呼びかけを行い、購入ボタンへと誘導します。
ここでのポイントは、行動を起こすことで得られるメリットを明確に示すことです。
「今すぐ申し込めば、明日からあなたの肌は生まれ変わり始めます」
「お申し込み後すぐに専任のコンサルタントがサポートを開始いたします」
といった具体的な展開イメージを示すことで、行動を促進します。
テレビショッピングでの展開例
テレビショッピングは、PASONAの法則を効果的に活用している代表的な例です。
実際の展開例を見てみましょう。
ある美容液の販売では、まず、
「年齢とともに気になる小じわ、なかなか改善できずにお悩みではありませんか?」
と問題提起を行い、視聴者の興味を引きます。
次に
「このままでは、年齢以上に老けて見られてしまうかもしれません。実は、放置することで症状はどんどん進行していきます」
と危機感を煽り、その後で、
「そんな方におすすめなのが、この革新的な美容液です。○○大学との共同研究で開発された△△成分が、肌本来の力を引き出します」
と解決策を提示します。
さらに、
「本日限定で、通常価格の30%オフでご提供」
という特典を示し、最後に、
「この機会に、ぜひお試しください」
と購入を促す……という具合です。
このように、視聴者の感情に寄り添いながら、自然な流れで購入決定へと導いていくのが、PASONAの法則の特徴です。
PASONAの法則を活用したセールスレターの書き方のコツ

セールスレターを書く際には、PASONAの法則に基づいて文章を展開していきます。
ここでは、実際のセールスレター作成に活用できる具体的なテクニックをご紹介します。
効果的なセールスレターの基本構造
まず、導入部分では読み手の興味を引く印象的な見出しが必要です。
ここでは問題提起(Problem)を行い、読み手の共感を得ることが重要です。
たとえば
「毎日の家事に追われて、自分の時間が持てていますか?」
といった形で、ターゲットが抱える具体的な悩みに触れます。
続いて、問題の深刻さを示唆(Agitation)しながら、解決策(Solution)へと自然な流れで展開していきます。
この際、具体的な数字やデータ、専門家の意見などを織り交ぜることで、説得力を高めることができます。
業種別の具体的な文章例
ここでは、さまざまな業種での具体的な展開例をご紹介します。
ECサイトでの美容クリームの販売の場合
まず、「紫外線や乾燥で、お肌の調子が気になっていませんか?」と問いかけ、「このまま放置すると、シミやシワの原因に。夏の強い紫外線で、さらに症状が悪化するかもしれません」と危機感を煽ります。
その後、「当店オリジナルの美容クリームには、○○研究所で開発された△△成分を配合。肌本来の美しさを取り戻す効果が臨床試験で実証されています」と解決策を提示。
「初回限定50%オフ&送料無料」という特典を示し、「今すぐカートに入れる」というボタンで購入を促します。
英会話スクールの場合
「英語を勉強しているのに、なかなか会話力が上がらない」という共通の悩みから始め、「このまま続けても、時間とお金の無駄になるかもしれません」と危機感を示唆。
その後、「当スクールの独自メソッドなら、3ヶ月で確実に上達。すでに1000名以上の受講生が成果を実感されています」と具体的な解決策を提示します。
読み手の心理に訴えかけるコピーライティングテクニック
効果的なコピーを書くためには、読み手の感情に響く表現を適切に使用することが重要です。
たとえば「安心」「うれしい」「楽」といった感情的な言葉を効果的に配置することで、読み手の共感を得やすくなります。
また、「約○○%の方が実感」「△△日で効果を実感」といった具体的な数値を示すことで、信頼性を高めることができます。
ただし、根拠のない数値や誇大表現は避け、あくまでも事実に基づいた表現を心がけましょう。
コンバージョン率アップのWebライティング実践テクニック

コンバージョン率(CVR)とは、Webサイトやアプリなどのデジタル媒体で、訪れたユーザーのうち、商品の購入や問い合わせなど、最終的な成果に至った人の割合を表す指標です。
Webコンテンツは、紙媒体とは異なる特徴を持っています。特に、スキャンリーディング(文章を斜め読みする)される傾向が強いため、それを意識した文章構成が重要です。
Web特有の読まれ方を意識した文章構成
見出しには重要なキーワードを含め、印象的な表現を心がけます。
また、1段落あたりの文章量は3〜4行程度に抑え、読みやすさを重視します。
重要なポイントは太字やアンダーラインで強調し、視認性を高めることも効果的です。
購入につながるCTAボタンの配置と表現
CTA(Call to Action)ボタンとは、Webサイトやアプリなどに設置され、ユーザーの行動を促すボタンです。
ユーザーが「購入」「問い合わせ」「資料請求」などのアクション(コンバージョン)を起こすことを目的としています。
CTAボタンは、できるだけスクロールせずに見える位置に配置することが重要です。
また、「今すぐ申し込む」「無料で相談する」など、具体的な行動を促す表現を使用することで、クリック率を高めることができます。
モバイルユーザーを意識した文章の見せ方
現在では多くのユーザーがスマートフォンでWebサイトを閲覧しています。
そのため、短めの文章を心がけ、読みやすさを重視することが重要です。
また、スマートフォンの画面サイズに合わせた適切な文字数や行間を設定することで、快適な閲覧環境を提供することができます。
まとめ

PASONAの法則を効果的に活用するためには、以下のポイントを意識することが重要です。
まず、お客さまの悩みに寄り添った問題提起を行うことです。
ターゲットが実際に感じている課題や不満を具体的に描写することで、共感を得やすくなります。
次に、解決策の提示は具体的な根拠とともに行います。
単なる商品紹介ではなく、なぜその商品やサービスが効果的なのかを、データや事例を交えて説明することで、説得力が増します。
そして、適切なタイミングで行動を促す仕掛けを配置することです。
特典や期間限定といった要素を効果的に活用することで、購入の決断を後押しすることができます。
最後に、これらの取り組みを継続的に改善していくことが重要です。
実際の成約率やアクセス解析のデータを確認しながら、より効果的な表現や構成を見つけていくことで、さらなる成果向上が期待できます。
以上、PASONAの法則を活用した売れる文章術についてご紹介させていただきました。
すぐに実践できる具体的なテクニックばかりですので、ぜひ参考にしていただければと思います。
【参考文献】
SEOに強いWebライティング 売れる書き方の成功法則64(ソーテック社)
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