ZMOT(ジーモット)とは何かを理解しよう
- ここ10年で消費者の行動が変わったと聞くが、どのように変わったの?
- マーケティング用語でZMOTという言葉を聞くが、何のこと?
Webマーケティングやコンテンツマーケティングの知識が増える中で、上記のような疑問を抱えているWeb担当者になってしまった会社員の皆さまや、ホームページを活用して集客したい経営者の皆さまも、いらっしゃるのではないでしょうか。
そんな皆さまのために今回は、これからのマーケティングに欠かせないZMOT(ジーモット)について解説します。
FMOT(エフモット)が示す「真実の瞬間」
現在、消費者がインターネットで検索することで、これまで企業が持っていた情報を消費者がすでに情報収集を終えている……という現象が起きています。
消費者が情報に簡単にアクセスできるようになった結果、売り込み型の広告宣伝だけでは消費者の心をつかむことが難しくなりました。
また、消費者は情報を収集し比較検討を行うことが多く、購買までに時間をかけるようになりつつあります。
今や、購買行動に至るかどうかの主導権は消費者が握っていると言ってもよいでしょう。
かつては、消費者の購買モデルとしてFMOT(エフモット、First Moment Truth)という考え方がありました。
近年、インターネットとマーケティングが急速に進化していることから、ZMOTとあわせて、このFMOTというキーワードを理解しておくことは非常に重要です。
FMOTは、特にP&G(プロクター&ギャンブル)が提唱した概念であり、消費者が商品を購入する際の行動を示すモデルです。
FMOTの考え方は、刺激、棚、体験という3ステップから成り立っています。
まず、消費者が商品に対して何らかの刺激を受けます。
これはテレビ広告、雑誌広告、友人や家族の口コミなど、さまざまな要因によって引き起こされるものです。
次に、消費者は商品を実際に棚で目にします。
この瞬間が「第1の真実の瞬間」と呼ばれ、消費者の購買意欲に大きな影響を与えるとされています。
最後に、消費者は実際に商品を購入し、体験します。
この体験は「第2の真実の瞬間」と呼ばれ、この体験で満足するかしないかによって、今後のリピート購買や口コミにつながるかどうかが決まると言われています。
この概念こそがFMOTです。
新たに提唱された「ゼロ個目の真実の瞬間」
一方、2011年のGoogleによる大規模な消費者調査で登場した概念がZMOT(ジーモット、Zero Moment of Truth)です。
意味としては「ゼロ個目の真実の瞬間」というもので、この「ゼロ個目の真実の瞬間」は,
消費者が商品を購入する前に行うインターネット上での情報収集段階を指します。
つまり、FMOTの前に、消費者が商品について調べる真実の瞬間があるということを示しています。
ZMOTは、刺激、情報収集、棚、体験という4ステップから成り立っています。
最初に、消費者は広告や口コミ、ソーシャルメディアの投稿などによって商品に対して刺激を受けます。
次に、消費者はインターネット上で情報収集を行います。
特に、検索エンジンを使って商品の特徴や評価、価格比較を行うことが一般的です。
この段階がZMOT、すなわち「ゼロ個目の真実の瞬間」です。
なぜなら、消費者が実際に商品を手に取る前の、インターネット上での情報収集こそが、重要な意思決定のポイントとなるからです。
ZMOTの特徴的な点は、誰かの体験が次の人のZMOTになるということです。
つまり、他の消費者が商品やサービスに対してポジティブな体験をした場合、それが口コミやレビューとしてインターネット上に広がり、次の購買者の意思決定に影響を与えることがあります。
同様に、ネガティブな体験も拡散され、潜在的な顧客に対して悪い印象を与える可能性があるため、企業は顧客満足度の向上にも注力する必要があります。
消費者は多くの情報収集をしてから購買している
そんな現代の消費者ですが、商品購入前に相当な量の情報収集を行っています。
インターネットの普及により情報を入手する手段が多様化し、消費者は慎重に検討を重ねたうえで最適な選択をしようとする傾向があるからです。
ここでは、
- 商品カテゴリーごとの情報源
- 刺激、情報収集、体験の各ステップでの情報収集の方法
- 情報収集にかける時間と情報量
について解説します。
商品カテゴリーごとの情報源
消費者が商品を購入する際に接触する情報源は、商品カテゴリーによって異なります。
例えば、高額な自動車や家電製品を購入する際には、製造メーカーの公式サイトや専門家のレビュー、比較サイトなどを参考にすることが一般的です。
一方、日常的な消耗品や衣料品を購入する際には、友人や家族の口コミやソーシャルメディアの投稿、オンラインストアのレビューなどが重要な情報源となります。
Googleの調査によれば、高額な商品であればあるほど、消費者が接触した情報源が多いということが報告されています。
刺激、情報収集、体験の各ステップでの情報収集方法
消費者は、商品を購入する前の刺激の段階から情報収集を始めます。
例えば、テレビ広告やウェブ広告、ソーシャルメディアの投稿などによって商品に興味を持ち、購入を検討し始めることがあります。
情報収集の段階では、主に検索エンジンを活用します。
特に検索エンジンは、商品の特徴や価格、口コミやレビューなどの情報を手軽に入手できるため、消費者にとって重要な情報源となっています。
また、体験の段階では、実際に店舗に足を運んで商品を手に取ることができますが、これも消費者にとって重要な情報収集の機会となります。
さらに、オンラインストアでの購入やサービスの利用を考えている場合は、他の消費者の口コミやレビューを参考にすることが多いです。
ここで注目すべきポイントは、消費者がFMOT(店頭に行く)段階までに、相当な量の情報を収集しているということです。
従来の広告は、現代においては「興味を喚起する役割」しか果たしてないと言っても過言ではありません。
消費者が情報収集にかける時間と集める情報量
消費者が情報収集にかける時間は、商品の種類や価格帯によって異なりますが、一般的には相当な時間を費やしていることが多い傾向があります。
特に高額な商品や長期的な契約が必要なサービスについては、慎重な検討が求められるため、情報収集に数日から数週間をかけることもあります。
消費者が集める情報の数も膨大であり、複数の情報源から情報を総合して判断することが一般的です。
例えば、特定の商品に関する検索結果や口コミ・レビューは数十件から数百件にも及ぶことがあります。
このような大量の情報を整理し、適切な判断を下すために、消費者は時間をかける必要があります。
【参考】
The Zero Moment of Truth Macro Study(think with Google)
ZMOTの概念をコンテンツマーケティングに活かそう
ZMOTでは、消費者が商品を購入する前に行う情報収集の重要性が強調されています。
コンテンツマーケティングは、消費者が情報収集を行う際に役立つコンテンツを提供することで、ブランド認知を高め、購買意欲を引き出す手法です。
以下に、「ZMOTの概念をコンテンツマーケティングに活かす方法」を箇条書きでリストアップします。
消費者の情報収集行動に合わせたコンテンツの提供
- 消費者はZMOTで情報収集を重ねることが多いため、企業は消費者が求める情報を提供することが重要です。
- 商品に関する詳細情報や利用者の声、比較情報など、消費者の検討に役立つコンテンツを充実させましょう。
SEO対策を通じたコンテンツの可視化
- ZMOTの段階では、消費者は検索エンジンを活用して情報を集めることが一般的です。そのため、企業はSEO対策を行い、消費者が求める情報を正確に表示するようにしましょう。
- 適切なキーワードを使用して、検索エンジンの上位表示を目指すことが大切です。
消費者のニーズに応じた多様なコンテンツの提供
- ZMOTの段階では、消費者が多様な情報源から情報を収集します。コンテンツマーケティングでは、ブログ記事、動画、インフォグラフィックス、SNS投稿など、様々な形式のコンテンツを提供することが有効です。
- 消費者のニーズに合わせて情報を提供することで、関心を引き付けることができます。
インフォグラフィックスとは
インフォグラフィックスとは、情報を視覚的に表現したグラフィカルなコンテンツのことです。
文章や数字だけでは伝えるのが難しい情報を、図やイラスト、グラフ、アイコンなどを駆使して分かりやすくまとめたものです。
見やすく、視覚的にインパクトがあるため、情報の理解度が向上します。
ホームページやプレゼンテーション、SNSなど、さまざまな場面で活用されています。情報を効果的に伝えたい時に便利なコンテンツです。
ブランドの信頼性と信用性を高めるコンテンツ
- ZMOTの段階では、消費者は商品やブランドに対して信頼性や信用性を確認しようとします。そのため、企業は信頼性を高める情報を含んだコンテンツを発信することが重要です。
- 客観的なデータや専門家の意見などを取り入れることで、ブランドの信頼性をアピールしましょう。
カスタマージャーニーに沿ったコンテンツの提供
- 消費者は購入前に複数のステップを踏んで情報収集を行います。コンテンツマーケティングでは、カスタマージャーニーに沿ったコンテンツを提供することで、消費者を導き、購買に結び付けることができます。
- 刺激、情報収集、体験といった各ステップに合わせて、消費者が求めるコンテンツを提供しましょう。
カスタマージャーニーとは
カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを購入するまでの過程を理解するためのフレームワークです。
顧客は購入に至るまでに、複数のステップを経験します。
例えば、認知、興味、検討、購入、利用、リピートといった段階が含まれます。
カスタマージャーニーを理解することで、どの段階でどのようなニーズを持っているかを把握し、顧客の立場に立った適切なコンテンツやサービスを提供することができます。
これにより、顧客体験を向上させ、特別な信頼と忠誠心のある顧客関係を築くことが可能となります。
◆ ◆ ◆
以上をまとめると、ZMOTの概念をコンテンツマーケティングに活かすことで、消費者が商品やサービスについて情報収集を行う際に役立つコンテンツを提供できる可能性が高まります。
SEO対策を行い、消費者が求める情報を正確に表示させることで、ブランド認知を高めることもできるでしょう。
多様なコンテンツを提供し、消費者のニーズに合わせた情報を発信することで、購買意欲を引き出せる可能性が高まります。
ブランドの信頼性や信用性をアピールし、カスタマージャーニーに沿ったコンテンツを提供することで、消費者の心を掴み、購買に結び付けることができるでしょう。
時代は、「商品を探す時代」から「情報を探す時代」へと変化しつつあります。
コンテンツマーケティングは、消費者が関心を持っている情報を提供し続けることで、消費者との接点を維持する戦略です。
継続的に消費者から信頼を獲得し続け、いざという時に選んでもらえれば、この戦略は成功といえるでしょう。
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